担当記者が見た羽生結弦『集大成の舞』 平昌五輪で118日ぶり銀盤も「僕は五輪を知っている」
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2018年2月16日、舞台は平昌五輪。右足首を負傷しながら挑んだ男子ショートプログラム(SP)を圧倒的な演技で終え、羽生結弦は豪語した。「僕はオリンピックを知っている」と-。悔しさと無力さを感じたソチ五輪から4年。幾多の苦難を乗り越えながら、羽生結弦は“絶対王者”として18年平昌五輪へと向かった。そしてフリーの演技を終えた瞬間「勝った」-。その雄たけびをかき消すような大歓声が、江陵アイスアリーナに渦巻いていた。
王者とはいかなる者か。SPの2分50秒で羽生結弦は、それを世界に証明した。フリーの4分半は、羽生結弦が羽生結弦自身を超えたと、われこそが金メダリストにふさわしいと世界に誇るための時間だった。
17年11月、NHK杯の公式練習で悲劇は起きた。4回転ルッツの着氷時に右足首を負傷。羽生結弦は五輪までの約3カ月間、表舞台から姿を消した。
迎えた男子SP。「バラード第1番」の旋律は、固唾(かたず)をのんで見守る世界をあざ笑うかのように、軽やかに、力強く氷上を跳ねた。自身が持つ世界最高得点に肉薄する111・68点。118日ぶりとなる勝負の銀盤で、孤高の強さを顕示した羽生結弦は「僕はオリンピックを知っている」と言った。
Video: https://youtu.be/d9SjJNnW2mA
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